ファイルバックアップ戦略の導入によって、企業は誤操作や悪意のある行為によるデータ損失リスクを低減することができます。従業員が重要なドキュメントを誤って削除した場合や、ウイルス感染によってファイルが破損した場合でも、管理者はバックアップファイルを通じてデータを復元し、企業データの完全性と可用性を確保できます。

概要

ファイルバックアップ機能は、エンドポイント端末における意図的または偶発的なファイル破損や誤削除を防止し、企業の重要なデジタル資産を保護することを目的としています。

機能概要

Ping32のファイルバックアップ機能は、企業のデジタルアセットと機密データを集中管理・保護し、意図しない削除やランサムウェア攻撃による損害を防止します。主な特長は以下の通りです。

• 指定ファイルタイプ・サイズのバックアップ対応
  フルバックアップおよび増分バックアップに対応し、データの種類や容量に応じた柔軟なバックアップ戦略を策定可能です。フルバックアップはすべての重要データを保存し、増分バックアップは前回以降の変更データのみを保存することで、ストレージ容量と時間を節約します。

• 保存パスのカスタマイズ設定
  保存先パスを自由に設定でき、企業のストレージ要件やハードウェア構成に応じてデータ配置を最適化し、リソース利用効率を向上させます。

• 分散構成およびクラウド統合対応
  分散型アーキテクチャおよびクラウドサービスと連携し、バックアップデータを統合管理。これにより、ストレージコストを削減しつつ高い冗長性を確保します。

• マルチバージョンバックアップ対応
  同一ドキュメントの複数バージョンをバックアップすることが可能で、誤編集や上書きによるデータ損失を防ぎます。

バックアップ設定

従業員端末上のファイルを自動的にバックアップし、特定パラメータに基づいて設定するには、以下の手順で操作を行います。

1. サーバーアップロード設定
   バックアップデータのサーバー転送設定を構成します。初回のフルバックアップ、暗号化ファイルの復号バックアップ、バックアップスケジュール、通信帯域、間隔、バージョン管理、サーバーIPなどを設定し、企業の要件に合わせて最適化します。

2. 対象ファイル設定
   バックアップ対象とするファイルの種類やサイズを指定します。特定のファイル拡張子のみを対象にすることも可能です。

3. 除外パス設定
   バックアップ対象外とするパスを指定します。特定のフォルダや一部ファイルをバックアップから除外したい場合は、除外リストに追加します。

4. ポリシー適用
   設定完了後、ポリシーを保存・適用することで、指定条件に基づく自動バックアップが開始されます。

バックアップログの確認

Ping32のバックアップログ機能では、ネットワーク全体の端末におけるバックアップ記録を一元的に閲覧・管理できます。ローカル保存にも対応し、必要なときにいつでも参照可能です。記録には以下の情報が含まれます。

• ファイルソースパス

• 更新日時

• ファイルサイズ

• ファイルタイプ

• バックアップ理由

• バックアップ実行時間

さらに、文書・画像・図面・マルチメディアなどカテゴリ別に記録を分類表示でき、効率的な情報管理・検索を実現します。